うつ病の接し方>実家での治療に抵抗がある場合

うつ病にかかった時、実家で静養するという判断をとるご家族も多いです。
ある女性演歌歌手の方も、うつ病を発症し寛解の目処がつかなかったので東京の家を処分して、
実家に帰ってらっしゃったことがあるとおっしゃってました。
しかし患者さんの中には、郷里に帰った途端にうつ病が悪化する方もいらっしゃいますので
ご注意ください。

特に対人恐怖症が出ている方に多いです。実家は家族がいらっしゃるでしょうから治療環境には
良さそうなのですが、世間の目がありますので引き込まざるを得なくなる時もあります。
こうなれば逆効果です。もしそうなった場合は、すぐに元の環境に戻られることも検討してください。
日本には世間体という文化が色濃く残っており、うつ病で敏感になっている患者さんはそれを鋭く感じ取ります。

いくら勝手知ったる故郷でも、知り合いや友達がいるからと言っても、治療に適さないケースが
あることを憶えておいてください。
本人がリラックスし、治療に専念できる環境を周囲の方が選んであげましょう。

うつ病の発症から、病気を受け止め、治療に臨む過程は、末期がんを宣告された患者の心理に似ている、とよく言われます。中にははっきり「がんよりもうつ病の方が辛い。だってがんはもう治りうる病気になりつつあるから」とおっしゃる方もいます。がんについてはこちら　http://gantiryouhou.web.fc2.com/　のサイトをご覧になってください。